日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドニエストル川」の意味・わかりやすい解説
ドニエストル川
どにえすとるがわ
Днестр/Dnestr
ウクライナとモルドバ共和国を南流して黒海に注ぐ川。ドニステール川ともいう。流長1352キロメートル、流域面積7万2000平方キロメートル。ウクライナとポーランドの国境付近のカルパティア山脈北側斜面に源を発し、上流部は峡谷で急流をなすが、ガリチから下流では流れも緩く、下流域にはデルタや潟湖(せきこ)を形成している。暖冬には結氷しない。流域はウクライナ穀倉地帯の一部で、小麦、トウモロコシ、ヒマワリ、テンサイ、タバコ、ブドウなどが生産される。1954年にドゥボサールイにダムが建設された。沿岸にモギリョフ・ポドリスキー、モルドバのソロキ、ティラスポリなどの河港都市がある。
[須長博明]