普及版 字通 の解説
16画
[字訓] むねうつ・なでる・ひらく
[字形] 形声
声符は辟(へき)。辟は辟歴(へきれき)(霹靂、はたたかみ)のように、はげしい破裂の音を写すことがある。は手で強く胸などをうつことをいう。〔爾雅、釈訓〕に「辟は心(むね)を拊(う)つなり」とあり、〔詩、風、柏舟〕「寤(さ)めて(むねう)つこと(へう)たるり」のを訓する語。(ひよう)もそのうつ音をいう。悲痛の甚だしいときの所作で、〔孝経、喪親章〕に「踊哭泣し、哀しみて以て之れをる」とみえる。
[訓義]
1. むねうつ、むねうちなげく。
2. なでる、さする。
3. ひらく、おる、ひく。
4. 擘(はく)と通じ、おやゆび。
5. 辟と通じ、さける。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 ヨコサマ・ウツ・ヲレヌ・ウツス・ツク・ヒク・ヒラク・サク・ワカツ・スナホナリ 〔字鏡集〕 ツク・ヨコサマ・ヒラク・タフル・ウツス・スナホナリ・サク・ヒク・キル・ウツ・ヲレヌ
[語系]
phyekは擘pek、pe、闢biekと声義の関係があり、手ではげしくうちひらくような動作をいう。拍peak、搏pak、撲beokは手で拍つ音をいう。
[熟語]
易▶・開▶・琴▶・算▶・破▶・撥▶・▶・踊▶・踴▶・膺▶・掠▶
[下接語]
寤・踊
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報