日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヘッセの標準形」の意味・わかりやすい解説
ヘッセの標準形
へっせのひょうじゅんけい
Hesse's normal form
直線または平面の方程式の一つの特殊な形。平面上で一つの直線に原点Oから垂線を下ろし、垂線OHがx軸となす角をθ(0≦θ<360゜)、またOH=p(≧0)とすれば、この直線の方程式は
(*) xcosθ+ysinθ=p
となる。ここで、x、yは直交座標とする。(*)を直線のヘッセの標準形という。一般に、平面上の直線の方程式は
ax+by+c=0 (a2+b2≠0)
の形である。両辺を
で割れば、
(**) lx+my=n(≧0), l2+m2=1
の形となる。したがってl=cosθ,m=sinθとなる角θがみつかるので、(**)もヘッセの標準形である。ヘッセの標準形の利点は、平面上の任意の点(x0,y0)から直線(**)に下ろした垂線の長さが|lx0+my0-n|で与えられ、簡単に求められることである。空間では、平面の方程式のヘッセの標準形がある。
[立花俊一]