世界大百科事典(旧版)内のベック,Ludwigの言及
【鉄】より
…その理由の一つとして,鉄鉱石から鉄を取り出すために必要な高熱(融点約1540℃)の獲得が古代人にとり長い間技術的に困難であったことが挙げられてきた。しかし,《鉄の歴史》全5巻(1884‐1903)の大著で知られ,みずから製鉄家でもあったベックLudwig Beck(1841‐1918)は,鉄の還元が銅の溶融(1084.5℃)よりも低い温度で始まることを指摘し,製鉄の起源をはるか古い時期に想定し,青銅器時代に先行すると主張した。ベックが説いたように,確かに鉄は低い温度で還元するけれども,それは直ちに製鉄の容易なことを証しない。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」