化学辞典 第2版 「ホウ化マグネシウム」の解説
ホウ化マグネシウム
ホウカマグネシウム
magnesium boride
【Ⅰ】二ホウ化三マグネシウム(trimagnesium diboride):Mg3B2(94.54).三酸化二ホウ素B2O3と過剰のMg粉の混合物を H2 中で強熱するか,ホウ素,または三塩化ホウ素BCl3とMgとを真空中で強熱すると得られる.酸により水素と各種のボランを生成する.水では徐々に分解してホウ酸を生じる.【Ⅱ】二ホウ化マグネシウム(magnesium diboride):MgB2(45.93).六方晶系で,Bは平面グラファイト型につながり,Mgは層間に入る.低温超伝導物質としては異常に高い-234 ℃ で超伝導を示す.[CAS 12007-25-9]【Ⅲ】四ホウ化マグネシウム(magnesium tetraboride):MgB4(67.55).斜方晶系で,Bの正二十面体が相互に一部を共有してつながった複雑な三次元構造のなかにMgが入っている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報