マウザー(読み)まうざー(その他表記)Peter Paul Mauser

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マウザー」の意味・わかりやすい解説

マウザー
まうざー
Peter Paul Mauser
(1838―1914)

ドイツの銃砲技術者。モーゼルとも書く。1871年兄ウィルヘルムと協力してボルトアクション(槓桿(こうかん)式)機構をもつ口径11ミリメートルの小銃発明、マウザーM71歩兵銃としてプロイセン陸軍に採用された。1880年にこれを連発式に改良、その後、無煙火薬の発明により同火薬を使用する小銃と弾薬を開発、口径7.92ミリメートルのマウザーM88歩兵銃および短銃身の騎兵銃を設計した。マウザー式小銃の優れた機構と弾薬は、その後、世界各国の主力小銃となるほど広まり、各種の型が製造されたため近代小銃の父ともいわれる。日本の村田式、三十年式、三八年式、九九式の各軍用小銃もマウザー式機構を採用している。

[小橋良夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android