日本大百科全書(ニッポニカ) 「マカロック」の意味・わかりやすい解説
マカロック
まかろっく
John Ramsay McCulloch
(1789―1864)
イギリスの経済学者。ロンドン大学教授(1828~37)、文具用達局会計監査官(1838~64)を務めた。『エジンバラ評論』Edinburgh Reviewや『スコッツマン』Scotsman誌に多くの経済論文を寄稿し、『スコッツマン』の主幹を務めたこともある。それらの論稿は、時論として評価されるとしても、理論的な独創性はなかった。リカードと親交を結び、もっぱらリカード経済学の宣伝と普及に努め、とくに彼の書いたリカードの『経済学および課税の原理』の書評は、その売れ行きに貢献したといわれる。しかし、リカード経済学を形式的に擁護しようとするあまり、かえってその俗流化を促した。主著は『経済学原理』The Principles of Political Economy(1825)。
[千賀重義]