書評(読み)ショヒョウ

  • しょひょう ‥ヒャウ
  • しょひょう〔ヒヤウ〕

世界大百科事典 第2版の解説

新しく刊行された書籍について,署名あるいは匿名で批し評価することをいうが,装丁や造本面など書籍の外形について触れることはなく,著作の内容に関する批評が中心となる。〈書評〉という言葉は大正時代までは使われておらず,それまでは〈新刊書批評〉あるいは〈書籍批評〉とか〈ブック・レビュー〉などの言葉が用いられており,〈演劇批評〉が〈劇評〉となったように〈書評〉という言葉が生まれたものと思われる。この〈書評〉という言葉が用いられたのは,1929年1月号の《史学雑誌》であるが,〈書評〉という言葉が一般的に定着するのは,昭和10年代に入ってからのことである。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

主として新刊書籍の内容を批評すること。通常、著者紹介、内容の紹介や分析、客観的位置づけなどが行われるが、印象批評の色彩が強いものや、なんらかのカテゴリーやテーマを設けて類書を選択・比較するものも含まれる。書評は海外では、出版点数が激増した19世紀末から20世紀初頭にかけて成立した。イギリスの『タイムズ文芸付録』(1902創刊)や『ニューヨーク・タイムズ・ブック・レビュー』(1896創刊)はその一例である。わが国では近代文学の成立期である明治20年代に『出版月評』『日本図書月評』などの書評誌が創刊され、同時に『国民之友』『めさまし草』ほかの雑誌が文芸時評を掲載し始めた。その後書評専門紙として『日本読書新聞』(1937創刊、1945復刊、1984廃刊)、『図書新聞』(1949創刊)、『週刊読書人』(1958創刊)などが発行され、書籍情報誌として『出版ニュース』(1946創刊)、『本の雑誌』(1976創刊)、『ダ・ヴィンチ』(1994創刊)などがある。一般には新聞の読書特集や週刊誌の書評欄などが図書選択の指針とされるほか、テレビやインターネットによる図書紹介、書評なども増えており、石川達三のいう「書評は文化批評であり読書指導でもある」という性格が、いよいよ強く求められている。

[紀田順一郎]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 書物の内容を批評、または、紹介した文章。
※時間(1969)〈黒井千次〉二「新聞の書評にでも触発されたのか」

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