マティツァ(その他表記)matica

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マティツァ」の意味・わかりやすい解説

マティツァ
matica

セルビア語で女王蜂の意。 19世紀に南・西スラブ諸国に設立された学芸団体の名称。民族復興運動と関連。オーストリア=ハンガリー帝国,ドイツの同化政策に対抗して民族的学芸を振興,学術書,通俗書,雑誌など母国語で刊行し,民族の古文書,美術を収集。図書館,読書室を設立して,朗読会,音楽会を主催した。また歴史,フォークロア,民俗学,文学,言語学の研究を奨励し,ロシアの学術機関と提携,その財政援助を受けた。「セルビア・マティツァ」 Matica srpskaは 1826年 J.ハジッチによってブダペスト創立,1964年ノビサドに移転,今日もなお一大出版センターとして活動を継続している。「ボヘミア・マティツァ」 Matica českáは 1831年歴史家 F.パラツキーによってプラハに設立され,一時大きく発展したが,48年後の反動期に衰退,1955年ボヘミア博物館に吸収された。「クロアチア・マティツァ」 Matica hrvatskaは 1839年ザグレブに「イリュリア・マティツァ」の名称のもとに設立,1969年南スラブ学芸アカデミーの一部となり,74年現在名を採用して今日にいたっている。このほかソルブ人,スロバキア人のマティツァが知られている (創立はそれぞれ 1847,63) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

USスチール買収問題

日本製鉄は2023年12月、約141億ドル(約2兆2千億円)で米鉄鋼大手USスチールを完全子会社化する計画を発表した。国内の鉄鋼市場が先細る中、先進国最大の米国市場で、高級鋼材需要を取り込み、競争力...

USスチール買収問題の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android