日本大百科全書(ニッポニカ) 「マナサロワール湖」の意味・わかりやすい解説
マナサロワール湖
まなさろわーるこ
Manasarowar
中国、チベット自治区南西部にある淡水湖。南のグルラ・マンダータ山(7728メートル)と北のガンディセ山脈の間の標高4588メートルの高原上に位置する。チベット名マパム・ユムツォ。面積約520平方キロメートル、最大水深82メートル。西方約10キロメートルに面積約360平方キロメートルのラカス湖(ランガ・ツォ)があり、この両者は短い水路で結ばれている。湖の付近には温泉がみられる。1900年に河口慧海(えかい)がここを訪れており、1907年には探検家S・ヘディンが調査を行った。インド神話にあるマーナ湖、仏教経典などにみられる阿耨達池(あのくたっち)はこの湖だとされ、毎年多くの巡礼者たちが訪れる。
[小野菊雄]