阿耨達池(読み)あのくだっち

精選版 日本国語大辞典 「阿耨達池」の意味・読み・例文・類語

あのくだっ‐ち【阿耨達池】

仏語阿耨達龍王(あのくだつりゅうおう)が住むという池。瞻部洲(せんぶしゅう)中央香山の南、大雪山の北にあって、周囲八百里、金、銀、瑠璃などがその岸を飾る。四つの河を分出して、清冷水により全世界を潤すという。阿那婆達多(あなばだった)
※勝鬘経義疏(611)一乗章「従世尊如阿耨達池以下。会所生」 〔長阿含経‐世記経閻・浮提洲品〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「阿耨達池」の意味・読み・例文・類語

あのくだっ‐ち【阿耨達池】

《〈梵〉Anavataptaの音写清涼・無熱悩と訳す》ヒマラヤの北にあるという想像上の池。岸は金・銀など四宝よりなり、阿耨達竜王が住み、四方に河が流れ出して、人間のいる贍部洲せんぶしゅうを潤すという。無熱悩池

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「阿耨達池」の意味・わかりやすい解説

阿耨達池
あのくだっち

サンスクリット語 Anavataptaの音写。漢訳は清涼,無熱悩など。ヒマラヤ山脈の北にあるとする想像上の池。金銀宝石が岸を形成し,アナバタプタという竜王が住む。その池から流れる水は澄んで冷たく,ガンジス川などの四大河となって世界を潤しているとされる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の阿耨達池の言及

【マーナサ[湖]】より

…やがて王も祭事を行って半神族ガンダルバの仲間に入り,天界において彼女と再婚した。マーナサ湖はこの神話において重要な場面となっているばかりでなく,仏教神話にいう四大河の発源するアナバタプタ(阿耨達池(あのくだつち))もこの湖を指すとされる。現在の中華人民共和国チベット自治区南西部に位置するマーナサローワル湖(マパム・ツォともいう。…

※「阿耨達池」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android