日本大百科全書(ニッポニカ) 「マルケビッチ」の意味・わかりやすい解説
マルケビッチ
まるけびっち
Igor Markevitch
(1912―1983)
ロシア出身のイタリアの指揮者、作曲家。キエフ(現、キーウ)に生まれ、幼時をスイスで過ごす。パリでコルトーにピアノ、ブーランジェNadia Boulanger(1887―1979)に作曲を学ぶ。初め作曲活動で注目されたが、シェルヘンに指揮を学んでからは活動の中心が指揮に移り、1944年フィレンツェ5月音楽祭の音楽監督に就任したのを皮切りに、ストックホルム交響楽団、モントリオール交響楽団、ラムルー管弦楽団、スペイン放送交響楽団、モンテ・カルロ国立歌劇場管弦楽団の常任指揮者を務めた。1960年(昭和35)初来日して日本フィルを指揮、1968年同フィルの名誉指揮者となった。近代・現代の作品を得意とし、リズム感・色彩感の鮮明な独特の演奏を誇った。フランスのアンティーブで没。
[岩井宏之]