ミヌシンスク文化(読み)ミヌシンスクぶんか(その他表記)Minusinsk culture

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミヌシンスク文化」の意味・わかりやすい解説

ミヌシンスク文化
ミヌシンスクぶんか
Minusinsk culture

ロシア,エニセイ川上流域のミヌシンスク盆地アルタイ地方に継起した青銅器時代から鉄器時代一連の文化をいう。この南シベリアの亜新石器から青銅器時代にかけての時期は,アファナシェボ期,アンドロノボ期,カラスク期の3文化期に区分され,それに続く鉄器時代はタガールと呼ばれている。アファナシェボ期は,前3千年紀から前2千年紀の初めに比定され,銅器よりも石器や骨器のほうが豊富であるが,初めて冶金技術を修得した時期である。アンドロノボ期は,前2千年紀から前1千年紀の初めに比定され,冶金技術は進歩し,地下深く採掘して,銅,錫,金などを手に入れていた。著名な遺跡として,エカテリンブルグの南 600kmのアレクセエフスコエの住居址群と墓群をあげることができる。カラスク期は,前 1200~700年に比定され,形質的にモンゴロイドの出現がみられ,青銅器も中国北部のものに類似している。タガール期は前 700~100年に比定され,その中頃から鉄器の使用が盛んになった。

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