日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミヌシンスク盆地」の意味・わかりやすい解説
ミヌシンスク盆地
みぬしんすくぼんち
Минусинск/Minusinsk
ロシア連邦、南シベリア、エニセイ川中流域に広がる盆地。平均気温は、1月がマイナス20℃、7月がプラス19℃。年降水量は250~350ミリで、7~8月にその約70%が降る。農耕も可能で、鉱物資源も豊富である。この盆地では19世紀末以来、活発に発掘調査が続けられており、その結果、青銅器時代から初期鉄器時代にかけての遺跡が、いち早く分類編年された(アファナシェボ文化、アンドロノボ文化、カラスク文化、タガール文化、タシュトゥイク文化)。また、この地域は古くから中国との結び付きが強く、カラスク期からタガール期には、殷(いん)・周(しゅう)の青銅器と類似するものがみられ、タシュトゥイク期以後も、漢代から、唐(とう)・宋(そう)代の鏡や古銭が多数出土している。
[林 俊雄]