ムカンナーの乱(読み)ムカンナーのらん

改訂新版 世界大百科事典 「ムカンナーの乱」の意味・わかりやすい解説

ムカンナーの乱 (ムカンナーのらん)

〈ムカンナーal-Muqanna`(覆面者)〉とあだ名されたハーシム・ブン・ハキームHāshim b.Ḥakīm(?-783)がマー・ワラー・アンナフルで起こした反乱(776-783)。反徒はムバイイダal-Mubayyiḍa(白衣を着る者)と称され,ホッラム教徒の現地の農民と,トルコ人部族民からなり,ムカンナーはアダムに始まりアブー・ムスリム(別の報告ではムハンマド・ブン・アルハナフィーヤ)に至る預言者に具現された神の化身の最後とされた。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のムカンナーの乱の言及

【ホッラム教】より

…アッバース家運動中,そのダーイー(宣伝員)のヒダーシュKhidāsh(?‐736)が,ホラーサーンでマズダク教徒の勢力と結んだのがその始まりである。アブー・ムスリムの謀殺後,その血の復讐を求めたスンバーズの乱(755),隠れメシアとしてのアブー・ムスリムの再臨を説いたウスターズシースの乱(767),ムカンナーの乱(776)などが起こり,マズダク教と過激シーア派との結びつきはいっそう強まった。ホッラム教徒の最大の反乱は9世紀前半のバーバクの乱で,その平定後もホッラム教徒は残存し,12世紀の前半,ハマダーンの北西およびアゼルバイジャンに,ホッラム教徒が住んでいたと伝えられる。…

※「ムカンナーの乱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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