ホッラム教(読み)ホッラムきょう(その他表記)Khurram

改訂新版 世界大百科事典 「ホッラム教」の意味・わかりやすい解説

ホッラム教 (ホッラムきょう)
Khurram

マズダク教と過激シーア派思想との混交によって生じたイランの反アラブ・反政府的性格の強い異端の宗教。アラビア語史料はホッラミーヤKhurramīyaまたはホッラムディーニーヤKhurramdīnīyaの名で,マズダク教そのものを意味することもある。アッバース家運動中,そのダーイー(宣伝員)のヒダーシュKhidāsh(?-736)が,ホラーサーンでマズダク教徒の勢力と結んだのがその始まりである。アブー・ムスリムの謀殺後,その血の復讐を求めたスンバーズの乱(755),隠れメシアとしてのアブー・ムスリムの再臨を説いたウスターズシースの乱(767),ムカンナーの乱(776)などが起こり,マズダク教と過激シーア派との結びつきはいっそう強まった。ホッラム教徒の最大の反乱は9世紀前半のバーバクの乱で,その平定後もホッラム教徒は残存し,12世紀の前半,ハマダーンの北西およびアゼルバイジャンに,ホッラム教徒が住んでいたと伝えられる。
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関連語 バーバク

世界大百科事典(旧版)内のホッラム教の言及

【バーバクの乱】より

…アゼルバイジャンのホッラム教徒の指導者バーバクBābak(?‐838)が起こした反乱(816‐837)。バーバクはマダーイン(クテシフォン)の人で,アゼルバイジャンのホッラム教の指導者ジャーウィーザーンの弟子となり,師の没後その跡を継ぎ,816年,アゼルバイジャンの山中に拠って反乱を起こした。…

※「ホッラム教」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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