日本大百科全書(ニッポニカ) 「ムズターグ・タワー山」の意味・わかりやすい解説
ムズターグ・タワー山
むずたーぐたわーさん
Muztagh Tower
カラコルム山脈中部、パキスタンと中国(新疆(しんきょう)ウイグル自治区)の国境にある魁偉(かいい)な岩峰。バルトロ氷河の北、K2峰の西南西15キロメートルにそびえる。標高7273メートル。山頂は、ほぼ同じ高度をもつ東峰と西峰に分かれ、二つの峰の間の距離は約360メートル。山頂部より北西稜(りょう)と南東稜の二つの主山稜が延びるが、北東面と南西面は垂直近くに切り立っており、巨大な岩塔にみえる。山名は1892年イギリスの登山家マーティン・コンウェーが命名したもので、「氷の山の塔」を意味する。1956年イギリスのハルトーグ隊が北西稜から初登頂し、6日遅れてフランスのギド・マニョーヌ隊が南東稜から登頂した。
[金子史朗]