デジタル大辞泉 「高度」の意味・読み・例文・類語
こう‐ど〔カウ‐〕【高度】

1 高さの度合い。海水面からの高さ。「一万メートルの
2 天体が地平線からどれだけ上に見えるかを示す角度。天頂距離の余角。高度角。

[類語](

(1)地理学の高度。基準面から測ったある地点までの垂直距離で,海抜高度あるいは標高という。日本では〈東京湾中等海面〉を基準面としている。
(2)天文学の高度。目標とする点が水平方向よりどれだけ上の方向に見えるかを示す角度のこと。〈太陽の南中する高度は55度〉というように使われる。仰角ともいう。地平座標の一つで,目標点がどの方向にあるのかを正確に表すため,方位角とともに用いられることが多い。
(3)航空機の高度。一般に高度といわれるのは,空中のある点からその直下の地表または海面までの垂直距離のことで,厳密には絶対高度absolute altitudeと呼ばれている。すなわち,山岳地を飛行しているときは航空機から山岳表面までの垂直距離である。これに対し,標準大気の気圧と高度との関係を基準にし,ある高さの実際の大気圧をその基準にあてはめて得られる高度の値を気圧高度pressure altitudeという。気圧高度は一種の想定値であって,実際の大気の状態が標準大気と違うことがしばしばある。この場合,気圧高度の値に,標準大気と実際の海面上の気圧との間の差を補正し,海面からの高度に直した値を真高度と呼んでいる。また,空中のある点の空気密度を標準大気の密度と比較し,それに相当する高度を密度高度という。さらに航空機に特有のものとして,機体の与圧室内の圧力に相当する標準大気の高度を与圧高度といっている。航空機の飛行高度を表すには,巡航中は気圧高度を使うのがふつうであるが,低空では,電波高度計による絶対高度が用いられることが多い。
執筆者:長沢 工+関川 栄一郎
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…基準面から測ったある地点までの垂直距離をいう。基準面は海面を選ぶ場合が多いので,海抜または海抜高度と呼ばれることもある。日本における陸地の高さ(標高)は,明治10年前後の東京湾の平均海面を基準面として,水準原点(東京都千代田区永田町1丁目1番地の水準標石の零分区画線)の高さを平均海面上24m4140とし,これを基準として測定されたものである。設置した当初は24m5000であったが,関東大地震(1923)後の再測によりこの数値となった。…
…地球上のある点から,天体,遠く離れた山の頂,ある瞬間の航空機の位置など,何か目標となる点の方向を正確に示すことを考えたとしよう。この表し方はいくつかあるが,もっともふつうに使われるのは,その方向を方位を示す角(方位角)および地平線からの高まりを示す角(高度)の二つの量によって表す方法である。これによると,例えば,東京で見る北極星の方向は,方位角―北(から東回りに0度),高度―35度というように表すことができる。…
※「高度」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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