日本大百科全書(ニッポニカ) 「ムニャチコ」の意味・わかりやすい解説
ムニャチコ
むにゃちこ
Ladislav Mňačko
(1915―1994)
スロバキアのジャーナリスト、ルポルタージュ作家。1950年代の中ごろまではルポ作家として活躍していたが、小説『死の名はエンゲルヘン』(1959)で作家としても有名になり、ゆがめられた社会主義の現実を告白したルポ風短編集『遅れたレポート』(1963)で一躍人気作家となった。68年には『権力の味』を発表、ノボトニー政権を批判したが、ワルシャワ条約機構軍の介入により、67年に続いて2度目のイスラエル亡命をし、以後スロバキアでの影響力を失った。介入のプロセスを書いた『七日目の夜』(1968)など、一時日本でも人気を博した。
[千野栄一]
『栗栖継訳『遅れたレポート』(『ムニャチコ選集1』1969・勁草書房)』▽『栗栖継訳『死の名はエンゲルヒェン』(『ムニャチコ選集2』1969・勁草書房)』