メザニン債(読み)メザニンサイ

知恵蔵 「メザニン債」の解説

メザニン債

証券化商品の中で、信用力が高いが利回りの低いシニア債と信用力は低いが高利回りの劣後債(ジュニア債)の中間に位置する債券。債券やローン債権などから組成される証券化商品は、通常、信用力の度合いで格付けの異なる種類の債券が発行される。メザニン債はその中間に位置する中程度の利回りと格付けを持つもので、機関投資家などを中心に大きな需要がある。ただ、原資産が毀損(きそん)すると順位が高いシニア債の後でなければ利払い償還が受けられない。このため2007年に米国でサブプライムローン破綻(はたん)した際には、メザニン債の中にも行き詰まる例が続出しており、リスク面での不透明さが浮き彫りになった。

(熊井泰明 証券アナリスト / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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