証券化(読み)しょうけんか(英語表記)securitization

翻訳|securitization

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

証券化
しょうけんか
securitization

キャッシュ・フローを生む資産有価証券に組み替えて,第三者に売却する手法。資産は不動産債権など。資産の所有者はオリジネーターと呼ばれ,オリジネーターにとっては資金調達手段となる。購入者にとっては,債権の利息や不動産の賃貸収入などの資産のキャッシュ・フローが配当収入となる。通常,資金調達では調達者の信用力で資金調達コストが決定されるが,証券化は対象資産の信用力が資金調達コストの決定要素となって発行される。一方,オリジネーターの経営破綻などが証券化に影響を与えないために特定目的会社 SPCを設立し,SPCが有価証券を発行する形態をとる。キャッシュ・フローの回収は SPCではなく,資産の受託を受けた信託銀行が委託するサービサー(回収業者)が行なう。証券化はオリジネーターにとって,資産の圧縮,効率的活用というメリットがある。売却した場合には,売却によって資産価値が減少することもあるが,そのリスクも回避できる。購入者にとっては運用多様化のメリットがある。証券化が複雑に活用されると原資産の価値が反映されにくくなる。原資産が不良化すれば証券化資産の価値が大幅に減価する。そのリスクが現実問題となった例が,2006年以降,アメリカ合衆国で発生したサブプライムローンの証券化資産だった。

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知恵蔵の解説

証券化

有価証券を利用して資産を流動化すること。日本では不動産投資信託(REIT)など不動産の流動化が中心だが、ローン債権などキャッシュフローを生み出す資産を裏付けとして、証券として組み替えて売却することも可能。資産の保有者は流動化することで資産を圧縮し、資産を効率化することができる。また、資産が小口に分散されることで、多くの投資家に広範な運用対象を提供することが可能となる。一方で仕組みが複雑なことから、米国のサブプライムローンから組成されたCDOのように、金融市場に混乱を引き起こす例もでてきている。

(熊井泰明 証券アナリスト / 2008年)

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デジタル大辞泉の解説

しょうけん‐か〔‐クワ〕【証券化】

[名](スル)企業や金融機関が保有する債権や不動産などの資産を信託銀行や特定目的会社に譲渡し、この資産をもとにした有価証券(資産担保証券)を発行すること。これによって資産の流動性が高くなる。証券化する資産の違いから不動産担保証券債務担保証券などと分類する。

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会計用語キーワード辞典の解説

証券化

資産を流動化する方法として、最も一般的なのが証券化です。証券化とは、ABS(資産担保証券)を利用して資産の流動化を行う方法です。次の手順で行われます。1.資産をSPCへ売却。  2.SPCは受け入れ資産を担保にABSを発行。3.投資家はABSの代金をSPCへ払い込む。  4.SPCは資産購入代金を企業へ支払う。5.SPCは資産管理会社へ受入資産の管理・処分を委託。  6.SPCは資産管理会社から、運用収益を受け取る。7.SPCから投資家へり払いおよび償還が行われる

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ナビゲート ビジネス基本用語集の解説

証券化

債券や不動産などの資産を、証券にして売り出すこと。将来的に生み出すであろうキャッシュフローを配当などに充てる。 多額の設備投資を必要とするプロジェクトを手掛ける場合の、資金調達の手段とされることが多い。例えば、マンションやホテルの建設や、映画などのコンテンツ制作などにかかる費用の一部が証券化される場合がある。

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大辞林 第三版の解説

しょうけんか【証券化】

債権を売買、流通しやすくするため証券の形態にすること。抵当証券、 CP (コマーシャル-ペーパー)など。金融の証券化。セキュリタイゼーション。

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