中二階(読み)チュウニカイ

世界大百科事典 第2版の解説

ちゅうにかい【中二階 mezzanine】

建造物の階と階との中間に設けられた階をいう。古代ローマの貸店舗建築では,店舗の階高を高くとり,木造の中二階を設けてはしごをかけ,店主や店員が寝泊りできるようにした。この慣例は中世にも保たれ,近世に伝えられた。ルネサンス時代の邸宅建築では,室内の幅,長さ,高さの比例が重んじられた結果,大きい部屋の天井は高く,小さい部屋の天井は低く造られたので,この天井高の差を利用して,小室の上に中二階を設け,納戸や倉庫に用いた。

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大辞林 第三版の解説

ちゅうにかい【中二階】

普通の二階よりも低く、一階と二階の中間の高さに造った二階。
〔中二階になっている所から〕 女形の部屋にあてられた楽屋。また、女形の役者のこと。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

中二階
ちゅうにかい

一階と二階の中間に設けられた階。一般に床の高さをずらせることをスキップフロアskip-floorというが、中二階は一階と二階の間でスキップフロアを用いた場合に生まれる。上下の空間を完全に分離するのではなく、ある程度の連続性をもたせたい場合や、敷地が傾斜している場合、さらに建築基準法における斜線制限などによって部分的に高さの制約を受ける場合によく用いられる。床から天井までの高さが居室より低くてすむガレージの上を中二階とした建物も多い。田光雄]

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精選版 日本国語大辞典の解説

ちゅう‐にかい【中二階】

〘名〙
① 普通の二階よりは低く、平屋よりはやや高く造られた階。
※俳諧・毛吹草追加(1647)上「手のとどく枝の椿や中二階〈宗房〉」
② 女形の部屋に当てられた楽屋の称。また、女形に扮する俳優の異称。立役は三階に部屋をもっていたが、俳優の身で三階にいるのはお上(かみ)に対して無礼にあたるとして、表面はこれを二階と呼んだところから、女形の部屋に当てられた二階をいったもの。
※戯場訓蒙図彙(1803)一「其の夜太夫元へ立役座頭中二階女がたの頭分作者頭取帳元に限りて顔見世の趣向を咄す」

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