翻訳|mezzanine
建造物の階と階との中間に設けられた階をいう。古代ローマの貸店舗建築では,店舗の階高を高くとり,木造の中二階床を設けてはしごをかけ,店主や店員が寝泊りできるようにした。この慣例は中世にも保たれ,近世に伝えられた。ルネサンス時代の邸宅建築では,室内の幅,長さ,高さの比例が重んじられた結果,大きい部屋の天井は高く,小さい部屋の天井は低く造られたので,この天井高の差を利用して,小室の上に中二階を設け,納戸や倉庫に用いた。近代初期のデパート建築では,一階の天井高をとくに高くとり,周辺に中二階を設けることがしばしば行われている。劇場建築のバルコニーは,中二階を座席スペースとして利用したものである。
執筆者:桐敷 真次郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…一座の中で最高位にある女方を〈立女方(たておやま)〉といったが,明治・大正期の5世中村歌右衛門に至るまでは,女方は座頭(ざがしら)にはなれなかった。女方の楽屋は劇場の2階にあり,名目上それを中二階と称したので,女方のことを〈中二階〉とも呼んだ。女の役しか演じない俳優を〈真女方(まおんながた)〉という。…
…江戸時代の歌舞伎劇場の構造は,法規上制約が多くあって,1階には芝居の守護神といわれる稲荷大明神をまつり,〈稲荷町〉と呼ばれるその他大勢といった新入りの俳優たちの大部屋と,頭取,狂言作者,囃子方,大道具,小道具,衣装方など舞台関係者の部屋に区画され,2階以上がおもな俳優の部屋ときめられていた。2階は女方の部屋で,いちばん奥に立女方の部屋があり,その他の女方の〈中二階〉と呼ぶ部屋があった。江戸時代には3階建ての劇場建築は許可されていなかったので,実際に2階にあたるところを中二階と称し,3階を表向き2階と呼んでいた。…
…〈中頭(ちゆうがしら)〉が統轄した。 中二階(ちゆうにかい)女方の別称。江戸の劇場の三階建は許されなかったため,名目上楽屋の三階を本二階,二階を中二階と称した。…
…歌舞伎では興行中毎日出勤し,男方,女方それぞれが専門に分かれている。昔は男方床山を〈三階〉,女方床山を〈中二階(ちゆうにかい)〉と呼び,仕事場の床山部屋も厳密に分かれていた。現在も原則として分業である。…
※「中二階」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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