モソ(読み)もそ(その他表記)Mosuo

日本大百科全書(ニッポニカ) 「モソ」の意味・わかりやすい解説

モソ
もそ
Mosuo

漢籍中にみられる中国の少数民族ナシ族のかつての呼称。さまざまな文字があてられるが「磨些」「摩沙」などが代表的である。現在では、解放後に彼ら自身が選んだとされる統一名称である「ナシ(納西)」が民族名称として用いられている。ナシの人々の地域差は起源的に複数の民族系統を包含するためだと考えたJ・F・ロックは、永寧地域の人々を「モソ」とし、麗江地区などの「ナシ」と区別したが、後の研究者の支持は得られなかった。ところが近年、永寧地域で「モソ」と自称して、ほかの「ナシ」の人々と自分たちを区別しようとする動きもあり、現在中国で一般に「モソ」というと、母系家族で名高い永寧地域の人々をさす。

[横山廣子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

普及版 字通 「モソ」の読み・字形・画数・意味

】もそ

索する。

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出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のモソの言及

【ナシ族(納西族)】より

…主要作物は米,トウモロコシ,小麦,ジャガイモ,豆類等である。往古より漢籍史料には〈麼些〉〈磨些〉等の名称であらわれ,近年にいたっても中国,欧米の研究者の間では〈麼些(モソ)Mo‐so〉の名称を用いることが少なくない。元来はチベット北東部に居住していた羌(きよう)族の一支で,唐初のころ,麗江一帯に移住してきたという。…

※「モソ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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