改訂新版 世界大百科事典 「モンテジソン会社」の意味・わかりやすい解説
モンテジソン[会社]
Montedison S.p.A.
イタリア最大の化学会社で,全産業でみてもトップクラスの売上げをもつ企業。本社ミラノ。1966年,エジソン社Società Edison(1884設立)とモンテカチーニ社Montecatini Società Generale per L'Industria Mineraria e Chimica Anonima(1888設立)の合併により設立された。エジソン社は電力会社として出発したが,1962年の電力国有化により,石油化学,合繊,鉄鋼に進出した。モンテカチーニ社は,硫化鉱の採掘会社として設立され,第1次大戦中に化学工業に進出,第2次大戦後,石油化学,合繊にも拡大した。両社の合併は〈技術(モンテカチーニ社)と資本(エジソン社)の理想的な合併〉といわれたが,内紛,ストライキなどにより経営が悪化したため,71年ENI(エニ)の実質的傘下に入り再建を図った。その結果,業績は上昇し,82年にはENI,IRI(イリ),フィアットの各社に次ぐ売上げを達成した。1981年に民営化され,また子会社への権限委譲など組織の改編を行い,83年モンテジソン社は持株会社となった。2001年イタレネルジアItalenergia社に買収されエジソン社と改称した。エネルギー企業に特化する方向である。売上構成は電力59%,ガス・石油29%,エンジニアリング10%などである(2004)。売上高66億ユーロ(2004年12月期)。
執筆者:古矢 真義
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報