世界大百科事典(旧版)内のユスティ,J.H.G.vonの言及
【官房学】より
…前期官房学者にはゼッケンドルフV.L.von Seckendorff,ベッヒャーJ.J.Becher,ヘールニクP.W.von Hörnigk,シュレーダーW.F.von Schröderなどがおり,領邦君主に対して個別具体的で実践的な献策をするための著作が多かった。これに対して,後期官房学者にはユスティJ.H.G.von Justi,J.vonゾンネンフェルス,ベルクG.H.von Bergなどがおり,彼らの著作には官僚養成講座用の教科書が多く,その内容も総合的体系的で理論的であった。また後期官房学には自然法哲学の影響があらわれ,君主をも拘束する法の観念が徐々に形成されていった。…
【警察国家】より
…その根本思想は〈幸福促進主義的福祉国家観eudämonistische Wohlfahrtstaatstheorie〉ともよばれるように,国家行政機関・官吏が君主の権威を自己に反射させて国民に対して何事をもなしうるとするものであり,名目的には農業・土木・教育振興等慈恵的なものであったが,その内実は絶対君主に対する一切の批判・抵抗を排除・挫折せしめる治安国家的なものであった。18世紀のユスティJ.H.G.von Justi(1705‐71)の著書《警察学Grundsätze der Polizeiwissenschaft》(1756)が,こうした警察国家観の頂点であり,19世紀に入ってL.vonシュタインの行政学により警察概念が憲政と行政とに二分されて以後,恣意的行政としての警察国家観念は近代法の規制を受ける下位概念に転化していく。この絶対主義時代の恣意的・治安政策的な国家権力の行使様式から転じて,近代国家についても,国家権力,とくに文字どおりの警察官吏の権力が国民生活のなかに日常的に入りこむ状態を,警察国家とよぶ場合がある。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」