知恵蔵 「ヨーロッパ選手権」の解説
ヨーロッパ選手権
1960年にフランス・サッカー協会事務局長アンリ・ドロネーの呼びかけにより、フランスで第1回大会が開催された。この大会には17カ国が参加し、ソ連が優勝したが、西ドイツ、イタリアなどの強豪国の不参加や、社会主義国との対戦をボイコットするケースが発生するなどの問題があった。
以降、4年に1度、ワールドカップの中間年に開催され、68年の第3回大会からは、大会名称が現在の「ヨーロッパ選手権」となった。また、参加国数も次第に増え、96年からは、本大会出場枠が8カ国から16カ国に増やされた。世界トップレベルのヨーロッパ選手が集結し、時差などの問題がなく良いコンディションで対戦できることから、ワールドカップに匹敵する高レベルの大会と評価されるようになり、世界からの注目度も高い。
最多優勝国は、ドイツ(西ドイツ時代を含む)とスペイン(2012年大会を含む)の3回。その他、フランスが2回、オランダ、デンマーク、イタリア、チェコスロバキア、ソ連、ギリシャが各1回優勝している。
第14回となる、「EURO2012」は、ポーランドとウクライナの共同で12年6月8日から7月1日にわたり開催された。51の国と地域が参加し、前回ワールドカップ終了直後の10年8月から約1年半をかけた予選を勝ち抜いた14チームと、開催国の計16チームが出場。
7月1日にウクライナのキエフで行われた決勝では、スペインがイタリアに4-0で快勝し、史上初の2連覇と通算3度目の優勝を果たした。これで、スペインは08年の前回ヨーロッパ選手権、10年のワールドカップに続き、主要大会3連覇という前人未到の偉業も達成した。
(葛西奈津子 フリーランスライター / 2012年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報