だい‐え ‥ヱ【大会】
[1] 〘名〙
① 仏語。
規模の大きい法会
(ほうえ)。インドでは仏の誕生・成道・初転法輪を記念した仏生日大会・菩提大会・転法輪大会などをはじめ、五年に一度の無遮大会などが行なわれた。興福寺をはじめ南都諸寺では、特に
維摩会をさす。
※
書紀(720)敏達一三年九月(前田本訓)「仏の殿を宅の東の方に経営
(つく)りて、
彌勒(みろく)の石の像を
安置(ま)せまつる。三の尼を屈請
(いま)せて、大会(音読符)の
設斎(をかみ)す」
※浮世草子・好色万金丹(1694)二「一もめもざくった後は、中直りの大会(ダイヱ)」
[2]
謡曲。
五番目物。各流。金春禅竹作という。
比叡山の僧が修行していると
山伏姿の
天狗が現われ、以前命を助けられたお礼に望みをかなえてやると言う。僧の望みにより、釈迦が霊鷲山で行なった
説法の様を現わし、僧は思わずありがたさに合掌礼拝するが、怒った
帝釈天が天下って天狗の
魔術を破り、天狗をこらしめる。
たい‐かい ‥クヮイ【大会】
※蒙求和歌(1204)一二「家に
賓客をあつめて大会する時、王粲門のほとりに来てのぞめりとききて」
※
西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉一「
邑中の長老たる時、大会の中に於て、
立法の事を弁論しけるが」 〔
後漢書‐耿弇〕
※思出の記(1900‐01)〈
徳富蘆花〉一〇「基督教の教師牧師の大会に出席するため上京したので」
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デジタル大辞泉
「大会」の意味・読み・例文・類語
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大会
だいえ
能の曲目。五番目物。五流現行曲。典拠は『十訓抄(じっきんしょう)』。比叡山(ひえいざん)の僧(ワキ)に命を助けられた天狗(てんぐ)が、山伏(前シテ)姿で訪れ、報恩のために望みをかなえようという。僧は釈迦(しゃか)の霊鷲山(りょうじゅせん)での説法のさまを拝みたいと願う。山伏は架空の幻影ゆえ信心をおこしてはならぬと念を押して消える。木葉(このは)天狗たち(間(あい)狂言)が何の仏に化けようかと相談する場面ののち、天狗(後シテ)が釈迦の装いで現れ、説法の場を再現してみせる。僧が思わず礼拝すると、不遜(ふそん)の魔術を怒った帝釈天(たいしゃくてん)(ツレ)が現れ、天狗をさんざんに痛めつける。天狗の面の大癋見(おおべしみ)と釈迦の面を重ねて掛ける演出もあり、早替りで天狗の装束になるなど、異色の能である。
[増田正造]
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普及版 字通
「大会」の読み・字形・画数・意味
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