日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラフモン」の意味・わかりやすい解説
ラフモン
らふもん
Эмомали Рахмон/Emomali Rahmon
(1952― )
タジキスタンの政治家。南部農業地域クリャブの国営農場(ソフホーズ)議長の出身。タジク人。2007年4月、ラフモノフРахмонов/Rahmonovからラフモンに改姓した。ソ連崩壊に伴って、1991年9月に独立したタジキスタンでは、共産党とイスラムを中心とする勢力の支配権争いが激化し、1992年9月に本格的な内戦が始まった。同年12月、共産党出身のラフモノフ最高会議議長(当時)を支持する反イスラム系勢力の「人民戦線」が、ロシア駐留軍の後押しを得て、首都ドゥシャンベを制圧。同議長は1994年11月の大統領選挙で、対抗馬のアブドラジャノフ前首相を破って、大統領に就任した。イスラム反政府勢力はアフガニスタンを基地にして、タジキスタン東部の山岳地帯を中心に、武力闘争を続けた。一方、この間に政府と反政府派の和平交渉が進められ、1997年6月にロシアと国連の仲介で、最終的な和平協定が調印され、創設まもない「国民和解委員会」の活動に道を開いた。委員会は大統領と共同で、憲法や選挙法の改正準備、政府の改組などを進めている。1999年再選。2006年3選された。
[白井久也]