タジク人(読み)タジクじん(その他表記)Tadzhik

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タジク人」の意味・わかりやすい解説

タジク人
タジクじん
Tadzhik

アフガニスタントルキスタンのイラン系住民で,タジキスタンの基幹住民。タジキスタンとアフガニスタンにそれぞれ約 350万人,ウズベキスタンに約 100万人が居住,カブール,ヘラート地域や西部山岳地帯に多い。また中国領内には,シンチヤン (新疆) ウイグル自治区ターシュクルガーンタジク (塔什庫爾干塔吉克) 自治県を中心に約3万人が居住する。言語ペルシア語を話す。有史以前よりイラン高原から中国の国境にかけて住んでいた。経済,社会生活の単位は大家族制で,その多くは 50人以上の構成員から成る。生業は主として穀物や果実などの栽培を行う。文化はイラン化している。宗教は基本的にイスラム教であるが,伝統的な精霊崇拝との習合が著しい。独特の民芸が有名。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「タジク人」の解説

タジク人(タジクじん)
Tojik[タジク],Tājīk[ダリー]

タジキスタンの主要民族で,アフガニスタンでもパシュトゥーン人に次ぐ人口を持つ。スンナ派ムスリムで,主に定住農耕民。タジキスタンでタジク語,アフガニスタンでダリー語を用いるが,ともにペルシア語に近い。両国東部にまたがるバダフシャン地方と,中国西端のタシュクルガン・タジク自治県に住むタジク人は,タジク語と異なる東イラン系の言語を話すイスマーイール派ムスリムで,「パミール諸民族」とも呼ばれる。

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世界大百科事典(旧版)内のタジク人の言及

【ソビエト連邦】より

… 人口数第3位の民族は,中央アジアに住むチュルク諸語に属する言語をもつウズベク人であった。中央アジアの主要民族はそのほかに,ウズベク人と同系のカザフ人,トルクメン人,キルギス人,イラン語系の言語をもつタジク人であった。上記5民族の総人口はソ連全体の9.8%であるが,人口増加率がきわめて高いことが特徴的である。…

※「タジク人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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