日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルイソーン」の意味・わかりやすい解説
ルイソーン
るいそーん
Ludwig Lewisohn
(1882―1955)
アメリカの作家、評論家。ベルリンに生まれ、7歳のときアメリカに渡った。40冊に上る作品を残し、1940年代までは20世紀アメリカ文学の重要人物と目されていた。今日でも評価の高いのは自然主義小説の秀作『クランプ氏の事例』(1926)、自伝『流れに逆らって』(1922)、ユダヤ人問題を論じた『イスラエル』(1925)、ヨーロッパ文芸紀行『町々と人々』(1927)、自伝的な小説『内なる島』(1928)など。独自のアメリカ文学観を示そうとした『アメリカの文芸精神(エクスプレッション)』(1931)は異色だが偏見が多い。
[後藤昭次]