改訂新版 世界大百科事典 「レウクトラの戦」の意味・わかりやすい解説
レウクトラの戦 (レウクトラのたたかい)
前371年のスパルタとテーバイの戦い。この年スパルタで再度〈大王の和約(アンタルキダス条約)〉が結ばれたが,テーバイはボイオティアを代表することを認められず,和約に加わらなかった。そこでスパルタ王クレオンブロトスKleombrotosはボイオティアに侵入してテーバイ近郊のレウクトラLeuktraに陣を敷いた。兵力はスパルタ同盟軍が優勢であったが,エパメイノンダスは新たに斜形陣と呼ばれる戦法を用いてスパルタ軍を破った。スパルタは王をはじめ市民兵に大打撃を蒙り,テーバイはこれを機にギリシアに覇を唱えた。スパルタはさらに前370-前369年にエパメイノンダスの侵入を受け,スパルタ経済の重要な基礎であったメッセニアを独立させられて,勢力を失った。
執筆者:古山 正人
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報