ヲチンガハ(読み)をちんがは

日本歴史地名大系 「ヲチンガハ」の解説

ヲチンガハ
をちんがは

アイヌ語に由来する地名。「ヲチンガバ」(文化四年「石狩川川筋図」近藤重蔵蝦夷地関係史料)、「ヲチンカバ」(蝦夷全図)、「ヲチンカハ」(山川地理取調図)などと記される。「丁巳日誌」(再石狩日誌)にヲチンガハとみえ、「川巾拾間計。川口平地にて柳多し(中略)此処も昔しは人家相応に有し由なるが、当時はフヤツトキ五十一才一軒残りたり」という。「蝦夷人物誌」によれば、「石狩上川なるヲチンカバ」に住む土人ブヤツトキ(五二歳)は、「常に山野に走り廻りて、唯猟業を好みて運上屋の稼の間には唯熊を追てはテシオ川へ越え、鹿を追てはトカチ、ユウハリの岳にまでも堅雪の上を渉り行く(中略)朝に家を出ては夕はサヲロトカチ領なりに夜を明し、またの夕はクスリ、トコに越るをもことゝも思はず」という。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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