山野(読み)サンヤ

デジタル大辞泉 「山野」の意味・読み・例文・類語

さん‐や【山野】

山や野原。のやま。また、田舎
[類語]山海山河山水山川野山

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精選版 日本国語大辞典 「山野」の意味・読み・例文・類語

さん‐や【山野】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 山と野原。のやま。
      1. [初出の実例]「三秋欲暮趁看処、山野班々物色公」(出典:新撰万葉集(893‐913)上)
      2. 「但し哀しくは亡父に空しく泉路の別れを告ぐ、存母は独り山野の迷ひを伝へり」(出典:将門記(940頃か))
      3. [その他の文献]〔南史伝‐侯景〕
    2. いなか。田野
      1. [初出の実例]「無垢庵以山桜両三枝来之。雖山野僧、依志如此」(出典:蔭凉軒日録‐文正元年(1466)閏二月一六日)
      2. [その他の文献]〔蜀志‐杜微伝〕
  2. [ 2 ] 〘 代名詞詞 〙 自称僧侶が謙遜して用いる語。野僧。
    1. [初出の実例]「特就当寺、大作逆修仏事、山野忝奉来命、不固辞、敢為下手」(出典:丱余集(1409頃)中)

やま‐の【山野】

  1. 〘 名詞 〙 山と野。山や野。さんや。
    1. [初出の実例]「赤駒を夜麻努(ヤマノ)に放(はか)し取りかにて多摩の横山徒歩(かし)ゆか遣らむ」(出典:万葉集(8C後)二〇・四四一七)

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普及版 字通 「山野」の読み・字形・画数・意味

【山野】さんや

山と野。〔南史侯景伝〕景、性猜、~居る殿屋に、常に(きうりう)鳥(仏法僧)の鳴呼するり。景、之れを惡(にく)み、(つね)に人をして山野を窮め、鳥を捕へしむ。

字通「山」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の山野の言及

【山論】より

…山林原野の用益をめぐって発生する紛争。山野利用の具体的な内容は,(1)果実等の採取,(2)狩猟,(3)薪炭等の燃料,(4)建築用材,(5)薬や染料,(6)飼料,(7)肥料,(8)鉱物等地下資源,(9)灌漑用水等,実に多様であり,かつ農民の生活と生産の再生産にとって非常に重要なものであった。
[中世]
 古代では養老令の雑令に〈山川藪沢の利,公私之(これ)を共にせよ〉と規定があり,一時的な占有は認められても,特定の人が永続的,排他的に占有することは排除されるべきものであった。…

※「山野」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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