精選版 日本国語大辞典 「をもって」の意味・読み・例文・類語
を‐もって
- 〘 連語 〙 ( 「をもちて」の変化したもの ) 動詞の具体的な意味が薄れて、格助詞的に用いられる。
- ① 手段、方法を表わす。…によって。…で(もって)。をもて。
- ② 原因、理由を表わす。…ゆえに。…によって。をもて。
- [初出の実例]「しかるを当腹の寵愛をもって、はるかの末弟近衛院に位をうばはれたりしかば」(出典:金刀比羅本保元(1220頃か)上)
- ③ 「を」を強めた用法。をもて。
- [初出の実例]「水を以て其の身に灑ぐ」(出典:西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)一〇)
- 「申楽とは神楽なれば、舞歌二曲をもって本風と申すへし」(出典:申楽談儀(1430)序)
をもっての補助注記
「以て」と表記されていて、「もて」か「もって」か読みの明らかでないものは、便宜上本項におさめた。