をもって

精選版 日本国語大辞典 「をもって」の意味・読み・例文・類語

を‐もって

  1. 〘 連語 〙 ( 「をもちて」の変化したもの ) 動詞の具体的な意味が薄れて、格助詞的に用いられる。
  2. 手段、方法を表わす。…によって。…で(もって)。をもて。
    1. [初出の実例]「素きを以て書を作りて」(出典:大慈恩寺三蔵法師伝永久四年点(1116)五)
    2. 「事すでに急に当りたり。武を以て治むべきなり」(出典:太平記(14C後)二)
    3. 「デウスノ minauo(ミナヲ) motte(モッテ)」(出典:日葡辞書(1603‐04))
  3. 原因、理由を表わす。…ゆえに。…によって。をもて。
    1. [初出の実例]「しかるを当腹の寵愛をもって、はるかの末弟近衛院に位をうばはれたりしかば」(出典:金刀比羅本保元(1220頃か)上)
  4. 「を」を強めた用法。をもて。
    1. [初出の実例]「水を以て其の身に灑ぐ」(出典:西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)一〇)
    2. 「申楽とは神楽なれば、舞歌二曲をもって本風と申すへし」(出典:申楽談儀(1430)序)

をもっての補助注記

「以て」と表記されていて、「もて」か「もって」か読みの明らかでないものは、便宜上本項におさめた。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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