化学辞典 第2版 「アセチルコリン受容体」の解説
アセチルコリン受容体
アセチルコリンジュヨウタイ
acetylcholine receptor
AChRと略記される.シナプス後膜にあってアセチルコリンの情報を受け取るタンパク質分子.イオンチャネル型と膜7回貫通型の2種類に分けられ,それぞれにサブタイプが存在する.内在のリガンドであるアセチルコリンは両者に結合するが,ニコチンはイオンチャネル型に,キノコ毒のムスカリンは膜7回貫通型にしか結合しないので,両者を薬理学的に区別できる.イオンチャネル型はニコチン性アセチルコリン受容体,膜7回貫通型はムスカリン性アセチルコリン受容体とよばれる.ニコチン性アセチルコリン受容体は4種類のサブユニットα,β,γ,δからなる五量体(α2βγδ)構造を有し,Na+ チャネルとしてはたらくことから,リガンド依存性の Na+ チャネルとよばれることもある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報