化学辞典 第2版 「L--ムスカリン」の解説
L-(+)-ムスカリン
ムスカリン
L-(+)-muscarine
[C9H20NO2]+(174.26).ベニテングダケAmanita muscaria L.に含まれている有害物質.副交換神経興奮作用をもつ自律神経毒であり,摂取すると発汗,吐き気,けいれんなどを起こし,はげしいときには死に至る.第四級アンモニウム基をもつアルカロイド.塩化物その他の塩として単離される.塩化物C9H20NO2+ Cl-は融点181~182 ℃.+6.7°(水).水,エタノールに可溶,ほかの有機溶媒に難溶.天然に存在する(2S,4R,5S)-ムスカリンのみが薬理活性を示し,実験薬理学研究で使用される.LD50 0.23 mg/kg(マウス,静注).[CAS 300-54-9]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報