日本大百科全書(ニッポニカ) 「アバディーンアンガス」の意味・わかりやすい解説
アバディーンアンガス
あばでぃーんあんがす
Aberdeen-Angus
哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科の動物。イギリス原産の肉用牛の1品種で、イギリス、スコットランド北部の旧県アバディーンとアンガス産の両系統のウシを交配して改良し、成立した。世界各地に分布し、オーストラリアでは主要品種の一つで、アメリカ合衆国、カナダ、ニュージーランド、アルゼンチンにも多数飼育されている。日本では1915年(大正4)山口県が無角和種改良のため購入し、1961年(昭和36)ふたたび岩手、青森両県に輸入され、現在では日本各地で飼育されている。無角黒色で、雌では乳房に小白斑(はくはん)がみられるものもある。体形は低く丸みを帯び、成熟時の体重は雄800キログラム、雌550キログラム程度である。外国種のなかではもっとも肉質がよい品種とされているが、皮下脂肪が厚い。
[西田恂子]