翻訳|mamma
哺乳類の乳腺を覆う膨らんだ部分で,その先端に乳頭papilla mammalがある。乳房はウシ,ヤギ,ヒツジなどの家畜では顕著であるが,野生の哺乳類では授乳期においてもあまり明らかでなく,乳頭によってその存在がわかる程度のものが多い。乳頭は単孔類以外の哺乳類に見られ,胚の乳線(前肢原基と後肢原基の基部を結ぶ線上を走る外胚葉の肥厚)上に発達し,その数は産児数と,位置は生活様式や系統と関係があり,分類上しばしば重要な特徴となる。乳頭には,多数の乳管が直接開口する真乳頭(有袋類,霊長類,反芻(はんすう)類以外の偶蹄類など)と,中央に深い洞があり,その底に乳管が開口する偽乳頭(反芻類,鯨類など)の別がある。有袋類では雌だけが乳腺をもち,乳頭はふつう育児囊のなかにあって,2~5対がほぼ円周上に並ぶが,オポッサム科のジネズミオポッサム(ペラミス)などでは育児囊がなく,乳頭は6~11対が2列に並んで腹面の左右両側を前胸から総排出腔近くまで走り,両列の間に5個がV字型に並んで,全体で縦の4列を形成する。内側の最後位のものは正中線上にあり対をなさない。真獣類(一子宮類)では乳腺は雄にも痕跡的なものがあり,乳頭はつねに対をなす。乳頭が胸から鼠径(そけい)部まで乳線上に一様にあるものには,モグラ(4対),イヌ(4~5対),ドブネズミ(5~6対),イノシシ(6対),食虫類のテンレック(11~12対),齧歯(げつし)類のチチネズミ(マストミス。8~10対,ときに18対)などがあり,後の2種が乳頭の最も多い真獣類である。しかし乳頭が腹部になく,胸部と鼠径部に分かれて分布するものも多い。ヤチネズミ,ハタネズミ,アカネズミなどのネズミ類では胸部に2対,鼠径部に2対,ハツカネズミでは胸部に3対,鼠径部に2対,クマネズミでは胸部に2対,鼠径部に3対,クマでは胸部に2対,鼠径部に1対,ロリス類のポトでは胸部に1対,鼠径部に2対ある。乳頭が鼠径部になく,胸部と腹部に限られるものにはエリマキキツネザル(3対),イエネコ(3~4対),ウサギ(3~4対)などがあり,胸部に1対しかないものにコウモリ(キクガシラコウモリでは鼠径部にも1対ある),サル類(多くの原猿類を除く),センザンコウ,ゾウ,カイギュウ類など,鼠径部に1対しかないものにウマ,ロバ,サイ,カバ,ヌー,ガゼル,アイベックス,ヤギ,ヒツジ,クジラ,イルカなど,鼠径部に2対あるものにウシ,スイギュウ,オリックス,カモシカ,キリン,オカピ,シカなどがある。また,ヌートリアでは3対の乳頭のうち1対は鼠径部にあるが,2対は胸部と腹部の体側に位置し,ヤマアラシでも2~3対が体側にあり,親は四肢で立ったまま授乳する。
執筆者:今泉 吉典
乳腺と皮下脂肪の集りのために女性の胸部に生じた1対の膨らみが〈ちぶさ〉である。学術用語では乳房(にゆうぼう)と称する。乳房は乳汁を分泌して乳児を育てるための器官であるが,また代表的な二次性徴として女性の性的魅力の焦点をなす意味で,重要な生殖器官でもある。
乳房は先端が乳頭すなわち〈ちくび〉として突出しており,その周辺の丸い部分を〈乳輪areola mammal〉という。乳輪の皮膚は直径数cmの範囲にわたって,メラニンによって黒褐色に着色している。乳輪の大きさや着色度には個人的,人種的の差が著しい。乳輪の辺縁部には乳輪腺またはモントゴメリー腺という一種のアポクリン汗腺が肉眼でも見える開口をもって10個ほど散在している。色素沈着と乳輪腺は,乳児に対する標識と,男性に対する魅力を形成するものと考えられている。女性の乳房は半球形または底の広い円錐形で,その底は個人差はあるが,およそ第2~6肋骨の高さにわたっている。乳頭の位置はふつう乳房の中央よりやや下で,第4肋間隙(ろつかんげき)または第5肋骨のあたりに位する。女性の乳房も子どものときは男性のそれとほとんど変わらないが,後しだいに発育し,ことに思春期に入ると急に膨らみを増す。これは下垂体前葉の性腺刺激ホルモンの分泌が増加し,それによって卵巣が活動しはじめて,エストロゲンestrogen(女性ホルモンの一つ)を盛んに分泌するためである。妊娠すると胎盤から分泌される多量の女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の作用で乳腺はさらに発育し乳房が大きくなり,乳輪の色素が増加する。分娩後は,胎盤のホルモンに代わって下垂体からプロラクチン(催乳ホルモン)が分泌され,その作用によって乳腺の発達が完了して乳汁の分泌がはじまる。乳房の形は個人的に,年齢的に,人種的に著しい差があり,そのため人類学的研究の対象とされる。一般に未経産婦では乳房は円錐形に近く,乳頭が乳房の中央のあたりにあるが,経産婦では乳房が垂れ下がる傾向がある。
乳房の主体をなす乳腺は,汗腺や脂腺のような皮膚腺の特殊化したものであって,皮下組織より深部には広がらない。乳房をつかんで動かしてみると,下層の胸の壁(大胸筋や肋骨)から離れて自由に動くのはこのためで,この滑動性が妨げられていれば乳癌の発生を疑わねばならない。ところで,乳腺は乳房を完全に満たしているのではなく,結合組織の板からなる乳腺支帯が乳腺葉の間に割りこんでいる。乳房をつかむと,ごりごりするかたいものが触れられるが,これが乳腺支帯である。そして乳腺と支帯のすきまや周りに多量の脂肪組織が集積して,乳房を大きく盛り上げるのに役だっている。乳腺は15~20個の乳腺葉の集団で,導管すなわち乳管が各葉に1本ずつあり,開口部近くで乳管洞をつくったのち,おのおの乳頭に開いている。乳輪と乳頭の皮膚は平滑筋繊維に富んでいる。乳頭に触れると,その部の皮膚が縮んで細かいしわが生じるのはそのためである。乳腺そのものの終末部を顕微鏡で見ると,平滑筋が籠のように腺をとりかこんでいる。この筋上皮細胞が収縮すると,乳汁が放出されるしくみである。乳頭と乳輪の皮膚には神経の終末が豊富である。乳児が乳頭を吸うと,この神経が刺激され,興奮は間脳の神経分泌核に達してオキシトシンが下垂体後葉から血中に分泌される。このホルモンが乳腺の筋上皮細胞を収縮させる作用をもつので,乳汁が勢いよく放出されることになる。これを射乳と呼び,オキシトシンはまた射乳ホルモンということができる。射乳現象は条件反射化して,乳児が唇を乳房に近づけただけで,母乳が勢いよく噴出するという状態になることもまれではない。
→乳腺
執筆者:藤田 恒夫
乳牛などを除けば,張り出した乳房がいつも目だつのは人の女性だけで,他の哺乳類では乳房を見つけにくい。アリストテレスは哺乳類には馬や牛も含めて左右に乳房があるといい(《動物部分論》第4巻),ラクダも牛と同じく4個の乳首(乳頭)をもつ2個の乳房があると述べる(《動物誌》第2巻)が,乳首の位置から乳房を推定しての話である。馬には2個の乳腺と2個の乳首をもつ一つの乳房しかなく,牛は乳腺は1個だが4個の乳首のある乳房が一つあるだけである。乳房の位置について彼は,出産子が大きい獣やあしゆびの多いものは,多産なので腹部に多くの乳房があり,偶蹄類や奇蹄類では子が少ないかまたは角があるので鼠径部に乳房があると説くが,理由が明りょうでない。実際には犬や豚の乳首は胸,腹,鼠径部にあり,ウサギや猫では胸と腹に,キツネでは腹と鼠径部にあるなど,単純ではない。象は胸に2個の乳房をもつという指摘(《動物部分論》同上)は,より正しくは前肢の付け根というべきで,ほかでは霊長類とコウモリの胸に乳首がある。
霊長類の中で人だけが隆起した乳房をもつ理由について,D.J.モリスはそれが猿の〈肉質の尻(しり)のコピー〉だからという(《裸のサル》)。2足で直立して胸と腹を見せ合う人間にとっては,他の霊長類のように充血したしりの性皮を見せて異性を性的に誘う方法は有効でない。胸に陰部を模倣した乳首があって雄の目を引きつけるゲラダヒヒのように,人の女性も男性の欲望を誘い出すために体の前面に臀部の形を模倣して乳房を造出した。モリスは,乳房は臀部信号の擬態であると説明する(《マン・ウォッチング》)。同様な意味で,乳房を〈永遠に腫脹している性皮〉と呼ぶ学者もいる。柔らかな丸みをもつ乳房は,乳児に安らぎを与える前に,前向きで性交する男性の目を魅了する役割を果たすとするこの説は,乳房のない獣でも子を養えるだけの乳を出せるし,一般に人の乳房は大きいほど乳の分泌も多いが,例外も少なくないことからみて,妥当な解釈といえよう。ただし〈母〉の幼児語ママmamma(英語)はラテン語mamma(〈母〉と〈乳房〉の両義がある)に由来し,乳房は子にとって母の象徴である。mammaliaを〈哺乳類〉としたのは,乳房がなくても乳を飲ませて子を育てる獣も類に加えられる点で,原語より優れた翻訳というべきか。カモノハシでは約200個の乳腺が乳区という一区域に分布し,乳房も乳頭もないので乳汁は乳毛という硬い毛に沿って流れ,子はこれをなめて育つ。
ウィレンドルフ出土のビーナス像(いわゆる〈ウィレンドルフのビーナス〉),ローセル出土のビーナスのレリーフ,古代のエジプトやインドの女神像など,いずれも豊満な乳房を誇示している。日本の縄文土偶も例外ではない。乳房は性と生殖と豊穣を表徴し,人々の讃仰(さんぎよう)の的だった。たたえる形容には民族性もうかがえて,〈かもしかの二子(ふたご)〉や〈なつめやしのふさ〉(旧約聖書《雅歌》)とか,〈象の額の2個の瘤(こぶ)〉(インドの伝奇集,ソーマデーバ《屍鬼二十五話》)などの例がある。古代ギリシアでは乳房よりもしりを重視する傾向があったが,ルネサンス以降のヨーロッパではもっぱら乳房が注目されるようになり,文学と芸術のすべての分野で丸々と盛り上がった乳房を美とする価値観が確立した。C.H.シュトラッツは乳房を発達の程度にしたがって乳暈(にゆううん),芽乳房,成熟した乳房の3段階に分け,成熟した乳房を平乳房または皿乳房,半球状乳房またはリンゴ乳房,円錐形乳房または梨乳房の3型に分類し,また硬度にしたがって立ち乳房,下がり乳房,垂れ乳房の3種に類別した。成熟乳房を皿状,半球状,円錐状,ヤギ状の4型とする研究者もいる。英語で胸を表すbreastは乳房も指し,もとは男性の胸像の意だったbust(S. ジョンソン《英語辞典》)は,女性の胸囲や乳房も意味するようになった。世界最大のバストは213cmで,イギリスのタイタニック・ティナなる女性がその持主であるという。アメリカではバスト100cm以上の乳房を俗にバブスbubsと称し,バブス・コンクールが開催されたこともある。アメリカ人男性の,豊かな乳房に対する特別な好みは,数々のグラマー女優の人気にもうかがえるところである。
人でも腋窩(えきか)から正常乳房を通り鼠径部に至る弧の上に副乳が認められることがある。ほくろと見まがう乳頭だけのものから,乳腺をもつものまでいろいろであり,最高10個の例がある。白人で1~3%,日本人では約10%が副乳をもつとされ,女性にやや多い。松浦静山《甲子夜話》に上下2対の乳房をもつ男女の話がある。《五雑俎》によれば,周の文王も四つの乳の持主だった。中世のヨーロッパでは副乳はまごうかたなき魔女の特徴とされた。つとにアイスキュロスの《縛られたプロメテウス》にも語られている勇猛なアマゾン族は,弓を引くのにじゃまな右の乳房を切り落としたという。聖女アガタはキリスト教徒迫害に耐えて,乳房を切除する拷問を受けたが,一夜にしてもとの胸にもどる奇跡を見せた。現代医学では,既婚女性の乳房を乳癌のため切除する際に,夫の同意も得ることを原則とする。男性にもときに乳房の膨らみを見る。この中で母体の女性ホルモンの影響による新生児期や,ホルモン分泌が不安定な思春期に,ときに見るものは生理的な原因によるものであるが,睾丸障害,半陰陽,副腎機能亢進,下垂体や松果体の腫瘍,バセドー病,糖尿病,肝臓障害その他による病的なホルモン不均衡のために生ずる女性化乳房は異常として扱われる。エストロゲンその他のホルモン剤を用いた際の副作用としても出現することがある。これと肥満による脂肪性肥大とは別であることはいうまでもない。
→乳 →胸
執筆者:池澤 康郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
一般に「ちぶさ」とも読む女性の外性器の一つであるが、構造上は外皮と密接な関係がある。すなわち、女性では乳腺(にゅうせん)として乳汁を分泌し、乳幼児に対する哺乳(ほにゅう)器としての役割を果たしている。乳房の形状や大きさには年齢差、個人差、人種差があるほか、乳腺の分泌期や休止期によっても異なる。乳房は乳児、子供、男性では痕跡(こんせき)的であるが、女子では10歳ころから膨らみ始め、柔らかくなる。これは、腺組織、とくに導管の増大、脂肪沈着が進むためである。成人女性の乳房は前胸壁の大胸筋の上に半球状に隆起し、底面の直径は10~12センチメートルである。形状は半球状のほか、円板状、円錐(えんすい)状などがある。乳房の広がりは、ほぼ第2肋骨(ろっこつ)から第6肋骨の範囲に位置している。左右の乳房の間のへこんだ部分を乳洞あるいは庸中(ようちゅう)とよぶ。乳房の中央部よりやや下にある円柱状の突起を乳頭(にゅうとう)(乳首(ちくび))とよぶが、乳頭の形状、大きさには個人差がある。
乳頭には15~20個の乳管開口部がある。乳房のうち乳頭を除いた部分を乳房体とよび、内部には脂肪組織に包まれた乳腺葉(よう)が充満している。乳腺葉は乳管の数だけ存在する(男性の乳房の内部はほとんど結合組織である)。乳頭の周囲を取り巻く褐色輪状帯は乳輪(にゅうりん)(乳暈(にゅううん))とよび、この部分には多量の平滑筋線維のほか汗腺、大汗腺の一種とみられる乳輪腺(モントゴメリー腺)がある。乳輪は妊娠時にはメラニン色素の沈着が著しくなり、黒褐色となる。出産後も色素沈着は消退しないため、これによって経産婦・未経産婦の区別ができる。この乳輪の直径や色調には個人差がある。乳房の重さは、通常では150~200グラムであるが、授乳期には400~500グラムに達する。
一般に哺乳動物では、乳房の原基(乳腺が発生する基)は複数個であり、乳線(腋窩(えきか)から恥骨上縁に引いた線)上に左右対称に存在するが、ヒトの場合には、その第4対目のものが発達して乳房となる。しかし、まれにそれ以外の原基が発育して複数対の乳房をつくる場合がある。これを副乳、あるいは多乳房症とよび、「先祖返り現象」の一種とされている。乳汁分泌期になると、これらの副乳から乳汁が分泌されることもまれではない。乳房には、とくにリンパ管の分布が密で、リンパ管網をつくるが、これから出るリンパ管はおもに腋窩に集まる。したがって、乳癌(にゅうがん)などでは、転移がすぐ腋窩リンパ節にくることとなる。女性乳房は、老人になると腺体の萎縮(いしゅく)とともに縮小し、皮膚のしわ(襞(ひだ))が多くなる。
[嶋井和世]
乳房の形状については、乳房の軸と底面直径の関連で分類されるが、ドイツの人類学者マルチンR. Martin(1864―1925)は、次の四つの分類型を示した。(1)皿状乳房 乳房の高さが比較的低くて、基底が大きい乳房、(2)半球状乳房 高さが基底の半径に近い乳房で、ヨーロッパ人に多くみられる、(3)円錐状乳房 高さが基底の半径よりも大きい乳房、(4)山羊(やぎ)乳状乳房 乳頭が著しく下方に向いているのを特徴とする乳房。このほか、乳房は、発育の時期によって、胸乳型、蕾(らい)乳房、成熟乳房などに分けることもある。また、乳房は女性の月経周期によっても変化する。
[嶋井和世]
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出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
… 乳汁分泌については,産褥第1日までは少量の初乳の分泌がみられるだけであり,規則正しい成乳の分泌は産褥第2~4日に至って初めて開始する。乳房は急速に腫張・増大して結節ないし索状の硬結を触知でき,しばしば圧痛を訴え,また腋窩(えきか)リンパ節の腫張疼痛を伴うことがあり,軽度の乳熱milk feverをきたすこともある。成乳の分泌は乳頭の吸引刺激により,ますます盛んになり,分娩後7~8ヵ月で最高に達する。…
…哺乳類の乳腺を覆う膨らんだ部分で,その先端に乳頭papilla mammalがある。乳房はウシ,ヤギ,ヒツジなどの家畜では顕著であるが,野生の哺乳類では授乳期においてもあまり明らかでなく,乳頭によってその存在がわかる程度のものが多い。乳頭は単孔類以外の哺乳類に見られ,胚の乳線(前肢原基と後肢原基の基部を結ぶ線上を走る外胚葉の肥厚)上に発達し,その数は産児数と,位置は生活様式や系統と関係があり,分類上しばしば重要な特徴となる。…
…一方,臍窩(さいか)は増大した妊娠子宮の圧迫によって妊娠第7ヵ月ころからしだいに浅くなり,ついには消失してしまう。(4)乳房の変化 乳房は妊娠によってその大きさ,形状,硬さ,感受性を変じ,着色し,分泌機能を開始する。乳房の増大は妊娠第2ヵ月ころから始まり,末期には平時の3~4倍の重さになる。…
※「乳房」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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