改訂新版 世界大百科事典 「アーレボー」の意味・わかりやすい解説
アーレボー
Friedrich Aereboe
生没年:1865-1942
ドイツの最も代表的な農業経営学者。エーレボーとも呼ぶ。ハンブルク郊外で教育者を父として生まれる。イェーナ大学では農業経済学の泰斗T.ゴルツに師事し感化されること大であったが,学問上ではしだいに師から離れる。農学校教師やドイツ農業協会書記,農場管理人など多彩な履歴のあと,1904年から31年の定年退職にいたるまで,ボン・ポッペルスドルフ,ホーエンハイム,ベルリンの各農科大学,ブレスラウ大学,ベルリン大学で農業経営学,農政学の教鞭をとった。その《農業経営学汎論》(1917)は有名であり,《農政学》(1928)は経営政策論として独特な体系を示す。師と違ってチューネンを高く評価し,農業経営有機体説を展開し,経営組織を価格関係の関数として動学的な集約度理論を展開した。日本の農政学にも大きな影響を与えた。
執筆者:相川 哲夫
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