カミガヤツリ(紙蚊帳吊)(読み)カミガヤツリ(英語表記)Cyperus papyrus; papyrus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

カミガヤツリ(紙蚊帳吊)
カミガヤツリ
Cyperus papyrus; papyrus

カヤツリグサ科の大型多年生水草で,ナイル川流域からエチオピアシリア,東ヨーロッパなどに分布し,川岸や沼沢地に生える。茎は丸みを帯びた3稜のある円柱状で,高さ 2m以上になり,群生する。頂部から短い包葉および数十本の細枝をやや垂れぎみに出し,淡褐色の小穂をつける。葉は鱗片状に退化している。古代エジプトでこれから世界最古の紙をつくったことで有名である。紙の英語 paperはこの植物名の papyrusから出た (→パピルス ) 。記録によると,茎は紙をつくるほかに,ボート,帆,マット,衣類,紐などの製造に用いられ,髄は食用にされたという。現在では観賞用に温室水槽に栽培されている。

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