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パピルス パピルス papyrus

翻訳|papyrus

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

パピルス
パピルス
papyrus

(1) カミガヤツリ (紙蚊帳吊) のこと。かつてナイル川下流域に繁茂していたカヤツリグサ科スゲ属の植物。茎がマット,綱,容器,サンダル,小舟,建築材料として利用された。 (2) 古代エジプト人が (1) を材料としてつくった紙。

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デジタル大辞泉の解説

パピルス(〈ラテン〉papyrus)

カミガヤツリの別名。
古代エジプトで、1の茎の繊維でつくった一種の紙。書写材料に用いられ、その使用は紀元前2000年ころから紀元後数世紀に及んだ。文書は、ヒエログリフコプト文字などの古代文字を残した。紙を意味する、英語paper(ペーパー)やフランス語papier(パピエ)はこの語に由来する。

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百科事典マイペディアの解説

パピルス

カミガヤツリとも。アフリカ北部〜中部原産のカヤツリグサ科の大型の多年草。河畔や沼地にはえ,しばしば大群落をつくる。高さ2m以上になり,茎は緑色で太く,鈍い3稜がある。
→関連項目カヤツリグサ図書館パピルス柱ビュブロス

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世界大百科事典 第2版の解説

パピルス【papyrus】

温室に栽植されるカヤツリグサ科の大型の水草で,古代エジプトでこれを使って世界最古の紙が作られた(イラスト)。カミガヤツリともいう。太い根茎に沿って,高さ2mにも達する茎が立ち並び,葉はすべて無葉身の鞘(さや)に退化して,茎の根元にある。直径40cmにもなる大型の花序には,細長い枝が無数に束のようにつき,その先に,薄茶色の小穂が少数個つく。北アフリカ中部アフリカの沼や河畔に大群落をつくって生える。古代エジプトではナイル川流域のパピルスの茎を採り,皮をはいで白い髄を細く裂き,その維管束を縦横に並べて重しをかけて乾燥し,さらにこすって滑らかにしたパピルス紙を作り,当時の地中海地方の唯一の筆写材料とした。

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大辞林 第三版の解説

パピルス【Papyrus】

カミガヤツリの別名。
の茎を裂いて縦横に重ねて作った、一種の紙。筆写材料としてエジプトや地中海沿岸地方を中心に、紀元前3100年頃から紀元後一〇世紀頃まで使われた。紙を意味する英語 paper フランス語 papier などはパピルスに由来。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

パピルス
ぱぴるす
papyrus

パピルス草(学名Cyperus papyrus L.、和名はカミガヤツリ)からつくられた一種の紙。古代エジプトでナイル河畔に茂っていたこの草からつくられ、各種の文書の作成に利用された。近代の考古学的発掘によって『死者の書』などが記された多数のパピルス文書がみいだされ、カイロ、ロンドン、パリなどの博物館、大学などに保存されている。書字材料としてのパピルスの使用は、紀元前2000年ころから紀元後数世紀に及び、使用文字もエジプトのヒエログリフ文字(各種の書体を含む)、コプト文字、ギリシア文字から、初期アラビア文字、ラテン文字などに及んでいる。
 パピルスの製法についてはローマの著述家プリニウスが『博物誌』で述べている。それによると、まず茎を針で裂き、薄く幅の広いものとし、これをナイルの水に浸し、糊(のり)を加える。次に板にこれを並べて一つの層をつくる。それから同じものをこれと直角に並べ、これに力を加えてから日なたで乾かす。これらをつなげて巻物とし、最後に槌(つち)でたたいて表面を平らにしたという。しかしこれだけが製法のすべてであったわけではなく、特別の糊を使ったり、表面を磨くために象牙(ぞうげ)や貝でつくった道具を使ったりしたらしい。近年になってエジプトで少なくなったパピルス草を育成し、パピルスを復原製作することが行われている。
 パピルスは古代エジプトで大量につくられ、紀元前後には南ヨーロッパにも輸出されたが、イスラム勢力の登場で、東方伝来の紙の製法が導入されるとともにその使用は廃れた。しかしパピルス草の栽培はシチリア島に伝えられ、今日でもわずかながらつくられている。なおヘロドトスらによると、パピルス草の根元の部分は食用にされたほか、パピルスで船の帆、綱、その他の日常用品がつくられたが、これらで現存するものは少ない。[矢島文夫]
『大沢忍著『パピルスの秘密』(1978・みすず書房) ▽リチャード・パーキンソン、スティーヴン・クワーク著、近藤二郎訳『パピルス(大英博物館双書)』(1999・学芸書林)』

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図書館情報学用語辞典の解説

パピルス

古代エジプトで量産され,エジプトおよびギリシャローマ圏において主流であった記録媒体,またその原材料となった植物の名.葦に似るパピルス草(カミガヤツリ)は,当時ナイル川下流部の水辺の湿地に繁茂し,また栽培され,種々の日用品の材料になった.記録媒体としてのパピルスは,この草の茎の髄をリボン状に割いて貼り並べ,圧搾し,乾燥させて作った.筆記には葦ペンとインクを用いた.通常は数十cm角のシートを帯状に継ぎ合わせ,巻子本とした.折り曲げると弱いため,冊子体は例が少ない.4世紀頃から,高価だがより強靱な獣皮紙に交代し,紙のヨーロッパへの伝来とともにその役割を終えた.

出典|図書館情報学用語辞典 第4版
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世界大百科事典内のパピルスの言及

【紙】より

…この定義によれば,ヨーロッパ各国の紙の語源となっている古代エジプトのパピルス紙は厳密にいえば紙ではない。パピルス紙はパピルスpapyrusの茎を薄くはぎ縦横に並べて強く圧縮してシートにしたもので,繊維分散液から作ったものではないからである。化学繊維やフィルムから作った紙も定義から外れるが,紙と同じ用途にあてる紙に類似したものは合成紙と呼ばれている。…

【紙】より

…植物繊維を水で分散させ,無機または有機添加物を加えてシート状に作り,脱水乾燥させ,印刷,筆記,包装などの用途にあてるものを紙という。この定義によれば,ヨーロッパ各国の紙の語源となっている古代エジプトのパピルス紙は厳密にいえば紙ではない。パピルス紙はパピルスpapyrusの茎を薄くはぎ縦横に並べて強く圧縮してシートにしたもので,繊維分散液から作ったものではないからである。…

【カヤツリグサ】より

…上記の3種のほかに,水田の雑草にはタマガヤツリ,ウシクグ,コアゼガヤツリ等があり,大型で沼に生えるツクシオオガヤツリ,カンエンガヤツリ,ヌマガヤツリ等は南方や中国大陸から渡り鳥が運んで来たものと思われる。有用植物としては,エジプトのパピルスのほかに,シチトウイのように長くまっすぐな茎をもつものが編料として利用される。カヤツリグサやクグガヤツリの全草に一種の芳香があるが,この精油を多く蓄積する種類はハマスゲ(イラスト)のように薬用植物となる。…

【装丁(装幀)】より

…中国では1~2世紀にかけて,それまでの絹帛に代わって紙を書写材料とするようになり,継紙(つぎがみ)の形を経て,巻子本に仕立てられるようになっていった。また古代エジプトのパピルスは早くから,両端に細い軸をつけて巻物に仕立てられた。これは,パピルスの繊維は折り曲げると切れやすかったためである。…

【図書館】より

…一方,図書館を指す英語libraryの語源は木皮を意味するラテン語liberに由来し,英語bibliotheca,ドイツ語Bibliothek,フランス語bibliothèqueなどはギリシア語bibliothēkē(biblion(本)+thēkē(置場))に由来する。なおbiblionの語は,小アジアのパピルスの貿易港ビュブロスByblosからきており,これはBible(聖書)などの語源ともなっている。 以下,図書館の歴史を外国と日本に大別して概観し,あわせて日本の現況にもふれることにしたい。…

【パピルス文書】より

…パピルス草から作られたパピルス紙(単にパピルスともいう)に記された文書。パピルス紙は羊皮紙,粘土板とともに古代における重要な筆記素材であった。…

【本】より

…これを太陽の熱でかわかし,かまどに入れて焼きしめると,ほとんど石と変わらないほどの強さを得る。火に燃えず,水におかされず,またパピルスや羊皮や紙と違い,動物からの害も受けず,土中に埋めておけば戦禍にも耐え,たとえ破壊されても,破片を集めれば,ある程度にもとの形が得られる。この地方では数千年にわたってこれが書物であり,文化を栄えさせた。…

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