化学辞典 第2版 「クライゼン転位」の解説
クライゼン転位
クライゼンテンイ
Claisen rearrangement
エノールまたはフェノールのアリルエーテルが,加熱によってC-アリル誘導体に転位する反応で,ナフタレン環,アントラセン環,複素環式化合物でも同様に転位する.
フェノールの両側のオルト位がメチル基などで置換されていると,アリル基はパラ位に転位して,相当するp-アリルフェノールを生成する.14C を使った研究から,オルト転位ではアリルエーテルのγ炭素がオルト位に結合し,パラ転位ではα炭素が結合することが確かめられている.これは中間体にジエノンを生成する[3,3]シグマトロピー転位である.この転位はベンゼン環化合物だけでなく複素環化合物でもみられる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報