オルト(英語表記)ortho-

翻訳|ortho-

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オルト」の意味・わかりやすい解説

オルト
ortho-

o -と略記される。本来は「正規」を意味する接頭語で,火成岩起源の高温変成岩を表記するときに「オルソ」または「正」として使われる。化学的には次のように用いられる。 (1) 位置異性体であるベンゼンの3種の二置換体をオルト ( o- ) ,メタ ( m- ) ,パラ ( p- ) として表わすことが多い。その場合1,2-置換体がオルト異性体である。 (2) アルデヒドカルボン酸に水が付加した化合物をオルトアルデヒド,オルトカルボン酸という。 (3) 前例と同様に,無機酸素酸のなかで,分子中の水化度が最大のものをオルト酸と呼ぶことがある。たとえば,オルトホウ酸 H3BO3オルトリン酸 H3PO4 がその例である。 (4) オルト水素のように2個の原子核核スピンの方向が同一の場合接頭語として用いられる。なお核スピンが逆方向の場合はパラ水素という。

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