クログチ(読み)くろぐち

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クログチ」の意味・わかりやすい解説

クログチ
くろぐち / 黒石魚
[学] Atrobucca nibe

硬骨魚綱スズキ目ニベ科に属する海水魚。日本の南西部から南シナ海に分布し、砂泥底に生息する。体はやや長く、側扁(そくへん)する。口内および腹膜黒色であることが本種の特徴。産卵盛期は6月、成長は遅く、1年で10センチメートル、2年で18センチメートル、3年で25センチメートルに成長し、極限体長は43センチメートル。食性は肉食性で、小魚、イカ類、エビ類、カニ類のほか、浮遊性甲殻類を捕食する。底引網で多量に漁獲され、良質のかまぼこ原料にされる。

[谷口順彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のクログチの言及

【イシダイ(石鯛)】より

…この縞は成長するとはっきりしなくなり全体に黒ずんでくる。老成魚では口のまわりが黒くなってくるので,とくに関西ではクログチ,クチグロ,ブラックマスクなどの呼名も使われる。北海道以南の各地の沿岸に見られるが南日本に多い。…

※「クログチ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android