グレナダ侵攻(読み)ぐれなだしんこう

知恵蔵 「グレナダ侵攻」の解説

グレナダ侵攻

カリブ海の英連邦傘下の島国グレナダに1983年10月、米国を中心としてジャマイカや東カリブ海諸国機構(OECS)軍を加えた軍隊侵入、左翼政権を打ち倒し親米政権を樹立した。グレナダではニュー・ジュエル運動を率いるビショップが79年にゲーリー独裁政権を倒し、反植民地主義を掲げ穏健な社会改革を進めていたが、親ソ派のオースチン軍司令官がクーデターでビショップ首相を殺害した混乱につけ込んで侵攻した。グレナダ在住の米国民の保護を侵攻の理由としたが、実際は武力による左翼政権の打倒であり、国連総会も侵攻非難を決議した。

(伊藤千尋 朝日新聞記者 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

旺文社世界史事典 三訂版 「グレナダ侵攻」の解説

グレナダ侵攻
グレナダしんこう

カリブ海の小国グレナダに,アメリカ軍事介入して左翼政権を打倒した事件
グレナダは1974年イギリスより独立し,79年に人民革命政権が誕生してキューバ寄りの姿勢をとった。これに対しアメリカ軍が1983年10月にカリブ海諸国の軍隊とともに侵攻し,政権は崩壊した。この侵攻の際にアメリカ政府および軍による徹底的な報道管制がとられ,事実判明が遅れたことでも知られる。

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