コウモリダニ(読み)こうもりだに(英語表記)spinturnicid mites

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コウモリダニ」の意味・わかりやすい解説

コウモリダニ
こうもりだに / 蝙蝠蜱
spinturnicid mites

節足動物門クモ形綱ダニ目コウモリダニ科の総称。コウモリ類に寄生し吸血する中気門類のダニ。この群のなかでは珍しく、終生寄生生活を営む。雌体内で卵の発生が進み、幼虫期を経て、産み出されるときには第1若虫となっている。この第1若虫以後のすべての齢期に吸血する。体長0.8~1.3ミリメートルで、脚(あし)が強大、未吸血時にはヒトデのような形をしている種類が多く、全脚に鋭いつめを備えているのも特筆されるべき点である。宿主の種属と特異的に結び付いたダニの種類がみいだされている。人体を刺すことはない。

[内川公人]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android