ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サン・ドニ修道院聖堂」の意味・わかりやすい解説 サン・ドニ修道院聖堂サン・ドニしゅうどういんせいどうSaint-Denis, Paris パリ北郊にあるベネディクト会の修道院聖堂。聖ドニを埋葬した聖堂があったといわれる場所に,630年頃メロビング朝のダゴベルト1世が修道院を創設し,聖堂を建立した。以来 19世紀までのフランス王家の墓所となった。 754~775年改築され,カロリング朝時代には,ヨーロッパ文化の一中心地として,カロリング朝ルネサンスの母体となった芸術を生んだ。特にスクリプトリウムで制作された『シャルル禿頭王の詩篇書』や『聖エンメラムの福音書』などの装飾写本は初期キリスト教美術の貴重な作品。 1136年頃より修道院長シュジェールが,尖頭アーチやリブ・ボールト (肋骨穹窿) を採用,ステンドグラスを用いる大規模な改築を行い,ゴシック建築様式の契機となった。フランス革命時には王の墓所であったために破壊され,現存する建物は 1846年ビオレ=ル=デュクによって修復された。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by