シベリア経営(読み)シベリアけいえい

旺文社世界史事典 三訂版 「シベリア経営」の解説

シベリア経営
シベリアけいえい

ロシアによるシベリア征服・開発事業
ロシアの進出は,イヴァン4世のとき,大製塩業者ストロガノフによって16世紀半ばから始まった。彼はドン−コサックの隊長イェルマークの傭兵部隊をウラル東方に派遣し,1582年にはオビ川以西はモスクワ公国領となった。のち政府は軍隊を送り,防塞都市を築いて東進し,やがてオホーツク(1649)・ニコラエフスク(1650)・ネルチンスク(1654)・アルバジン(1665)などを建設した。ここに清国との関係が生じ,ピョートル1世のとき,ネルチンスク条約(1689)を結んで国境を定めた。17世紀後半の進出はおもに毛皮獣が目的で,18世紀は鉱石採取を加え,農奴の強制移住,罪人の流刑入植も行われた。1858年のアイグン(愛琿)条約で黒竜江流域,1860年の北京条約で沿海州を領有した。

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