日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
シュナーベル(Johann Gottfried Schnabel)
しゅなーべる
Johann Gottfried Schnabel
(1692―1752)
ドイツの作家。ビッターフェルト近郊のザンダースドルフ生まれ。ハルツ山麓(さんろく)のシュトルベルク伯爵家に仕え、週刊誌『シュトルベルク新奇世界情報集』(1731~38)を発行。「18世紀の愛読書」とうたわれた『フェルゼンブルク島』4巻(1731~43)は「ロビンソン・クルーソー風の物語」とユートピア社会改造説との結合をみごとに描いた、文化史的意義のきわめて深い叙事的写実主義の本格的小説といわれる。
[常木 實]
『常木實訳『南海の孤島フェルゼンブルク』(1973・郁文堂)』