シュミット転位(読み)シュミットテンイ

化学辞典 第2版 「シュミット転位」の解説

シュミット転位
シュミットテンイ
Schmidt rearrangement

シュミット反応ともいう.カルボン酸カルボニル化合物を,濃硫酸中でアジ化水素と反応させ,アミン,ニトリル,アミドなどを生じる反応.

   RCOOH + HN3 → RNH2 + CO2 + N2   

   RCHO + HN3 → RCN + H2O(およびRNHCHO)   

   RCOR′ + HN3 → RCONHR′ + N2

反応は,プロトン化されたカルボニル基炭素原子にアジ化水素が付加し,H2Oおよび N2 を脱離するとき,アニオン転位を伴って生成物に至る機構が考えられている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のシュミット転位の言及

【アミン】より

…アンモニアNH3の水素原子を炭化水素基Rで置換した化合物の総称。炭化水素基の数が1個,2個,3個のものをそれぞれ第一アミン,第二アミン,第三アミンという(図1)。なお,アンモニウム塩NH4Xの4個の水素原子をすべて炭化水素基で置換した化合物(一般式R4NX)は第四アンモニウム化合物と呼ばれる。アミンの炭化水素基が脂肪族のものだけであれば脂肪族アミン,一つでも芳香族のものを含めば芳香族アミンという。構造の簡単なアミンは,窒素原子に結合している炭化水素基名の後に接尾語amine(アミン)をつけて命名する(表参照)が,芳香族第一アミンの基本的なものについては,慣用名(アニリントルイジンなど)が認められている。…

※「シュミット転位」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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